
中川酒造
かつて天領だった米と良水を活かして
中川酒造のある長岡市脇野町は、かつて「三島郡三島町」と呼ばれた場所。江戸時代には幕府直轄の天領として知られ、上質な献上米を育ててきた農の地です。この地域は、農業や林業だけでなく、刃物産業や酒造業が盛んで、いずれも良質かつ豊富な水が欠かせない産業ばかりでした。
前杜氏が栽培した新潟県産酒米を中心に高精白した米を使って美酒造りを行っています。また中川酒造の仕込み水も、裏山に広がる西山丘陵からの伏流水を地下10メートルから汲み上げたもの。カリウムやマグネシウムなど微生物の働きを助ける成分を含みつつ、鉄やマンガンといった雑味の原因物質が少ない、まさに酒造りに理想的な軟水です。ホーロータンクに湛えられた水は澄みきった青をたたえ、その神秘的な色合いは、銘柄「越乃碧(あおい)」の清らかな味わいとも重なります。
激戦区・長岡でーー地元に愛される酒造り
新潟県内で最も多くの酒蔵を擁する長岡市。その中でも中川酒造が位置する脇野町は、人口わずか7000人の町に今も3軒の酒蔵が並び、以前は周辺地域も含めて5軒の酒蔵があったことを思えば、酒造りがいかにこの土地に根付いてきたかがわかります。
中川酒造の創業は明示21年。大火によって焼失した他の蔵から酒造株を譲り受け、酒造りが始まりました。以降、明治・大正・昭和と建物を増築しながら、今日にいたるまで酒造の伝統を守り続けています。出荷の8割は県内向け。「地元に愛される酒造り」という経営方針のもと、作業効率よりも「味」を重視した酒造りを続けてきており、現在も「手間を惜しまない」という精神は受け継がれ、他の酒蔵と比べて若い蔵人たちが多く、杜氏を中心に若手の蔵人が団結し製造しています。
地元で愛飲される『越乃白雁』
蔵を代表する銘柄『越乃白雁』は、西山連峰のふもと、自然と良水に恵まれた環境にあり、蔵の近くにあった田んぼに、白い雁が飛来していたことにちなんで名付けられました。柔らかい井戸水と良質な米によって醸されるこの酒は、地元でも長く愛されてきた存在です。
『越乃白雁』には、優雅で繊細な香りの大吟醸、華やかな香りと淡麗な味わいの純米吟醸、なめらかな中にもコクのある純米コシヒカリ、そして飲み飽きしない澄んだ味わいの『越の白雁 黒松』、柔らかくきれいな飲み口の本醸造などがあります。これらはどれも、贅沢なまでにコメを磨きに磨いて造られ、全量60%以上の精米歩合。日々飲む酒の美味しさを大事にしています。
「黒松」が燗酒コンテスト最高金賞を受賞
全国燗酒コンテストは、世界で唯一、温めておいしい日本酒を選ぶコンテストで、専門家による厳正な審査会です。中川酒造 越乃白雁 黒松 が2020、2021,2022 お値打ちぬる燗部門にて3年連続「最高金賞」を受賞2024お値打ち熱燗部門にて「最高金賞」を受賞致しました。
麹米は酒造好適米「五百万石」、掛米には全量新潟県産米を使用し、低温でゆっくり醸した産地と製法にこだわった定番種です。すっきりした中に旨味をもたせたやや辛口で、燗でも冷やでもいけるお酒です。
中川酒造 越乃白雁 純米 1.8L
新潟県産米「五百万石」を100%使用し、57%まで磨き仕込んだ純米酒です。
中川酒造 越乃白雁 純米 720ml
新潟県産米「五百万石」を100%使用し、57%まで磨き仕込んだ純米酒です。